保育士資格取得前に知りたい児童家庭福祉の施設

児童福祉施設の生活施設

児童福祉施設の生活施設とは、心身の障害や家庭環境の問題等の理由で、
家庭で生活することができない児童を入所させる施設です。

 

そして、その施設で暮らしながら、家庭に代わり、
生活全般にわたるサービスを受けることができます。

 

児童福祉施設の生活施設の目的は、
児童を心身ともに健全な社会の一員として育成する事です。

 

 *児童福祉施設の生活施設の種類

 

  乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、母子生活支援施設、
 情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設

 

 *児童養護施設

 

  児童養護施設は、家庭の養護機能を代替する施設で、
 入所児童の養育を行っています。

 

  児童養護施設の入所対象児童は、以下のようになっています。

 

  ○保護者のない児童

 

   ・父母と死別した児童
   ・父母の生死不明の児童
   ・父母に遺棄されている児童
   ・父母が長期にわたり拘禁されている児童
   ・その他環境上養護を要する児童
   ・保護者の無関心、病気、放任、無知、貧困、労働
   その他により必要な衣食住及び監護を受けることができない児童

 

  近年は、虐待など養育上の問題によるものが増えています。

 

  そして、学業不振や不登校、夜尿、失禁など、
 非社会的問題行動や神経症的な習癖をもっているなど、
 さまざまな問題を抱える児童が入所してくることもあります。

 

  このようにして入所してくる児童の多くは、
 入所前に家庭や学校、地域社会で放任されたり拒否されるなどの経験があり、
 精神的にも不安定な状態になっていることもあります。

 

  また、学年に応じた学習がされていない児童も少なくありません。

 

  ですから、児童養護施設では、そのような児童に対して、
 継続的で安定した環境を提供しながら、職員が共に生活をし、
 心のケアや生活指導、そして学習指導を行います。

 

  さらに、児童養護施設の生活施設では、年齢の異なる児童が集団生活を行います。

 

  年齢の異なる児童の集団を、児童養護の専門家が専門的な技術を用い、
 養育指導を行い、子ども達が社会的に自立した生活を営むことができるように
 援助がされます。

 

  保育士の主な役割は、日々子どもに接しながら、母親に代わって食事を作り、
 洗濯をし、子どもが学校に行っている間に掃除や買物をするなどの「家庭生活」の営みですが、
 近年は、虐待を受けた児童が入所児童の半数近くを占めています。

 

  そして、子どもが抱える問題は人格を形成する上で困難なものが多く、
 その問題を解決するために、そして、人格を再形成するためには、
 専門的な援助、かかわりが必要とされる状況になっています。

 

  1960年代以降、西欧では、ノーマライゼーションの浸透に伴い、
 児童養護施設でも脱施設化が進み、施設の小規模化やグループホーム、
 里親処遇への転換が進んでいます。

 

  日本では、2000年から定員6名の家庭的な「地域小規模児童養護施設」が創設され、
 専門里親制度も創設されるなど、里親制度にも大幅な改善がなされています。

 

  今後、児童の育ちを考えるとき、里親への委託や小規模なグループケアが
 社会的養護の中心となります。

 

  そして、現代は、児童福祉法が制定された当初とは異なり、
 施設を利用する児童の対象は問題が重複し、重度化しています。

 

  施設はそれをバックアップすることが必要で、
 地域の子育て支援の重要な役割を担っていく事になります。

 

  現在の日本における養護児童養護施設の援助内容には、
 以下のようなものがあります。

 

  ○入所児童に対する児童養護施設の主な援助内容

 

   ・幼児から高校、大学生までいる幅広い入所児童への生活援助。
   ・さまざまな問題行動をもつ児童への心理療法など。
   ・入所児童の高校進学の促進。
   ・中学校または高等学校卒業後の自立援助。
   ・大学、専門学校へ進学する者への自立支援と退所後の相談援助。

 

    自立支援では、施設退所を予定している児童が地域の中の住宅を利用し、
   1年間炊事や洗濯、掃除やゴミ出しなど、地域社会の一員として生活するための
   技術やマナーを身につける練習をする援助をします。

 

  ○親や他機関と児童養護施設の連携

 

   児童養護施設では、親や他機関との連携も行います。

 

   ・児童が一日も早く家庭に戻り、地域社会において、
   より適切な生活を営むことができるように、環境の調整を行います。
   ・自立が難しい児童に対して児童相談所や学校、児童委員会による
   きめ細かな援助を図ることができるように連絡調整を行います。

 

  ○児童養護施設退所後の児童のアフターケア

 

   児童養護施設では、自動の退所後のアフターケアも行います。

 

   具体的なアフターケアの内容は、以下のようなものです。

 

   ・中学、高校卒業後就職した者の措置したままの就職と退所児童の訪問や相談援助。
   ・就職に失敗した児童の一時保護、就職斡旋、再措置と自立支援。
   ・児童養護施設を退所した児童を対象とする自立援助ホームを利用した自立援助。

児童養護施設の地域子育て支援

・トワイライトステイ事業
(ひとり親家庭などの保護者が仕事などの理由で
帰宅が恒常的に夜間にわたるような場合、
児童の生活指導や夕食を与えたりする必要があるときに、
夜10時まで児童を預かる。)

 

・ショートステイ事業
(核家族などで保護者が病気や次子出産などのため、
児童の養育が一時的に難しいという場合、
児童養護施設や母子生活支援施設、乳児院などで
7日以内の範囲で一時的に児童を預かる。)

 

・相談援助事業
(不登校など一般家庭で問題のある児童への相談や援助指導。)

 

*障害児入所施設

 

障害児入所施設は、以前は障害種別で別れていたものを、
複数の障害に対応できるよう再編されたものです。

 

ですが、今までの対象障害を中心に受け入れられるように設定された基準など、
改正前の障害別類型の実情も考慮しながら、
障害の特性に応じた支援の提供も可能になっています。

 

とはいっても、従来のような一つの障害のみという児童は少なくなり、
色々な問題行動や障害が複雑に絡み合っている児童が多くなっています。

 

職員は、そのような児童に対して、社会生活への適応を目指し、
根気良く支援をしています。

福祉型障害児入所施設の入所対象

福祉型障害児入所施設は、主として知的障害のある児童を入所させる施設で、
入所対象は、18歳未満の知的障害児のうち、保護者がいない児童、
障害の程度が重度があるために家庭で適切な保護が受けられない児童、
著しい問題行動があるために家庭で適切な保護が受けられない児童です。

福祉型障害児入所施設の支援内容

福祉型障害児入所施設では、保護と将来の独立自活のための生活指導や、
日常的な言葉や文字、数等への関心を持たせるような学習指導、
感覚や運動機能訓練を踏まえた職業訓練等が行われています。

 

職員は、日常生活のサポートを行いながら、
対象の児童に対し根気良く基本的生活習慣が身につくように援助し、
一人ひとりの障害や適正を考慮し、将来の自立に向けて必要な技術の指導を行います。

 

障害の程度が軽度や中度の児童には、生活指導や学習指導、職業指導を行い、
退所後の社会生活に対応するための生活習慣を身につける訓練を中心に行います。

 

近年は、入所児童が少なくなりましたが、重度化・年長化・滞留化が見られます。

 

高齢化の傾向にある成人施設と同じように、
在宅福祉サービスを含めた知的障害児や知的障害者の
総合的な福祉政策を考えることが求められ、
その中で施設はその機能と充実を図ることが必要です。

 

そのために、施設は施設内の環境を外の社会に近づけたり、
スムーズに社会適応できるような環境を作り提供することが必要です。

 

2006年、障害者自立支援方の成立に伴う児童福祉法の改正がされ、
障害児施設は、契約制度が導入され、原則保護者が障害児施設と契約を結び、
この契約に基づき、サービスの提供を受けることになっています。

 

そして、都道府県等が、このサービス提供に係る費用について、
障害児入所給付費を支給する仕組みになっています。